滋賀県栗東市にある金勝山ハイキングコースを歩いてきました。
なんかもう山全体に滝やら奇岩やら色々あって。
全部見て回ろう、と思ったら確実に遭難するんで、とりあえず一番気になる狛坂磨崖仏をみることを目的として、馬頭観音堂駐車場まで車でドライブ。
対向車が来たら絶対すれちがえないこと間違いなしな山道の隘路をうねうねと進み、行き止まりがハイキングコースの出発点。
すでに駐車場からの景色が絶景です。
例によってハイキングコースはこんな感じ。
出かけるたびにこのようなところをいつも歩いているわけです、私は、あはあはは。
入山して15分ぐらい、持ってきてたカメラが謎の故障。
何もさわってないのに電源がON/OFFを気ぜわしく繰り返し、手に負えない。
なので以降の写真、全部スマホです、すいません。
古来から山岳信仰の山だったらしいし、中世以降は湖南地方における仏教徒の一大拠点たる霊山だった、というから、なんかわからんが私みたいな不浄の輩は軽く拒絶されちゃってるのかもしれない。
でも進むけど。
まあね、わかってはいたんですけどね、ハイキングコースとは名ばかりのアップダウンに早くも息は絶え絶え。
巨石に手彫りの観音像が。
40分ほどかけて歩いてようやく分岐。
すでに膝は笑い出してる状態。
「重ね岩」と立て札が。
自然の造形とは思えぬ危なっかしさ。
下の岩に観音さまがうっすらと彫られてるの、わかります?
「国見岩」から望む大津市の遠景。
山肌に巨石がゴロゴロしてるんですが、あんまりちゃんと写ってない。
奇石信仰の対象には事欠かないぐらい岩づくし。
そりゃ山岳信仰の山にもなろうよなあ、って感じですね。
最後の難所。
石段が崩れてこうなったのか、もともとこんなだったのかわからないんですが、歩きにくいことこの上ない。
捻挫したら遭難、と自分に言い聞かせ、慎重に歩く。
やっと着いた、1時間半は歩いたか。
狛坂磨崖仏とご対面。
もう、いきなりです。
何の前触れもなく山道に忽然と出現。
これ、写真では伝わりにくいですが、高さ6メートル、幅3メートルあって、圧巻の一言。
完全な姿を残す磨崖仏としては国内最古級のものだとか。
実は明治時代まではこのあたりに狛坂寺ってのがあったらしいんですね。
狛坂寺開基の折、渡来系の人々によって彫られたのではないか、と言われてますが、詳しいことはわかってません。
最近の研究では平安時代以前のものである可能性も出てきてるそうです。
軽く見積もってもざっと1000年以上が経過。
私は無信心無宗教の大馬鹿野郎ですが、さすがに1000年この場所に鎮座し続けたのか、と思うと、つい手を合わせたくなりましたね。
1000年もあれば欠けた茶碗にだって魂が宿りますよ。
ましてや阿弥陀如来坐像。
帰路、もう死ぬ、もう無理、歩けない、と念仏のように唱えながら撮った1枚。
これまでで一番ハードだったかも。
でも行った甲斐はありましたね。
後世の人の手によって改変されていない素の信仰の形を見た気がしましたね。
さて、次はどこへ行こうかな。
<終わり>
2016.9探訪