えー竹生島からの帰りに黒壁スクエアに寄る、という選択肢もあったんですが、やはり私が行くのならもっと泥臭いというか野趣あふるる場所だろう、と思い、チョイスしたのがここ。
滋賀県米原市に位置する標高1377mの霊峰。
日本書紀には、ヤマトタケルが伊吹山の神を倒そうとして返り討ちにあった、なんて逸話も残ってるらしいです。
日本百名山にも選ばれてる山ですね。
さて、本来なら麓から時間かけて登って山頂で自撮り、というのが私のいつものパターンなわけですが、さすがに今回は時間がない。
すでに時刻は15時をまわっている。
こんな時間から1300m級の山なんて登ってられんわけだ。
というか、登ったことないし、1300なんて数字。
遭難するわ!
てくてく歩いて登らなくとも、こういう便利なルート ↑ が整備されておるわけですな。
というわけで今回はショートカット。
いやね、もう無理の効かない年齢なのだよ、わかってくれ。
しかしこの伊吹山ドライヴウェイ、喜んで利用しておきながらケチをつけるみたいでアレなんだけれど利用料金がクソ高い。
どこに抜けられるわけでもないのに往復3090円ときた。
あちこちのドライヴウェイをこれまで利用してきたけど、近畿圏で知る限りでは最高値ですね。
いや、払ったけどさ。
こんな感じの峠道を延々車で登っていきます。
着きました、山頂駐車場。
およそ30分ぐらいの道のりか。
なんだか太陽が近い気がするぜ。
山頂駐車場からの眺め。
ちょっと霧が出てたんですが、眼下に琵琶湖を望めます。
ついさっきまで居た竹生島があんなに小さくなっちゃって、まあ。
売店の隣にあったコレが気になる。
登ってみたが、景観はあんまり変わらなかった。
でね、私が気になってるのは山頂駐車場から更に山間部へと延びている写真左側の山道だったりするわけだ。
えーと、ひょっとしてまだ高いところがあるんですか?と。
・・・・うん、あるみたいだね、ここが頂上というわけじゃないみたいだね、うふふ。
くっそー、いきゃあいいんだろ、いきゃあ!
山登る靴履いてきてないし、めちゃめちゃ軽装だけどさ、まだ上があるのに帰れねえよ、畜生。
・・・ふう。
登るとしますか・・・。
駐車場から15分ほど登っただけでもう膝が笑ってる。
最近運動不足だったしなあ。
でもここで引き返すわけにもいかんしなあ。
さて、どうしましょうね。
私よりはるかにご年配な男性が日傘のお姉さんに手を引かれて下山してこられた。
くっ、若い妾と高山アバンチュールかよ・・不整脈起こしてもしらねえぞっ!(酸素不足による妄想)。
意地でも登ってやる、と固く心に誓う。
牛歩の歩みで20分ほど経過。
まるで先が見えない木段の無限回廊に吐き気がしてくる。
わざわざ石柱に伊吹山って刻まなくとも知っとるわっ!(疲れからくる八つ当たり)
あふはははははーん、着いたああああ。
多分、頂上、いや、間違いなく頂上。
なにか彫像らしきものがある。
ヤマトタケルの石像だった。
いや、あのね、伊吹山の神と戦って負けたんでしょ?なのに石像おっ立てるって・・・。
なんなんだ。
嫌がらせなのか?それとも「負けてへんし。負けたことにしといたってるだけやし」みたいな某国風強弁の現れなのか?
なんと山頂に売店。
びっくりした。
ここより低い山、いくつか登ったけど、売店のある山なんて初めて見た。
採算とれるの?これ?
さすがは近江商人、というべきなのか。
なぜアイスを擬人化?
いや、つーかね、寒いぞここ。
下山してから知ったけど、麓と温度差10度ぐらいあるらしいやんか。
汗が冷えてアイスどころの話じゃねえって。
風が凄いです。
上着を飛ばされそう。
マジで寒い。
あのー、春は高山植物が軒並み花開いてる、って話だったんですけど、どう見ても荒れ野原ですよね・・・。
ということでわしだ・・・・って、あーっ!帽子飛ばされたあああああ!
あかん!帽子がどんどん遠くへと転がっていきよる!
ダメだ、撮影できる環境にないぞ、これ。
ヅラまで風にもぎ取られそう。
えーと、すいません、山頂で登山客に奇異な目を向けられながらも自撮り棒を振りかざした努力だけでも買ってやってください。
寒いし、もう無理。
下山します、辛い。
ああ、まだつぼみだったんだ、高山植物。
パンフレット見たら5月下旬ぐらいから見頃って書いてありました。
・・・・・・はい。
うん、私はいつもこんなもんだ。
けどまあ、比較的お手軽に1000m以上の山を満喫できる、って意味では伊吹山、いいかもしれませんね。
さあ、帰ろう、琵琶湖に陽も落ちる。
ふくらはぎも筋肉痛なことだし、ううっ。
おまけ、温泉入浴記。
- 長浜市八島町181
- 10:00~21:30
- 無休(12/31~1/3休み)
- スーパー銭湯
- カウンター式
- 駐車場あり
- サウナなし
さすが療養泉を謳うだけはあって効果絶大
2010年に突如オープンしたスーパー銭湯。
某誌の人気ランキングでは滋賀県一位にも輝いたことのある施設ですが、なるほどさもありなん、と。
外観を含め、内装、雰囲気は歴史ある日本旅館風。
それっぽい感じじゃなくて、ほんとに歴史がある風に見えるのが贅を感じさせる。
こりゃ細部にこだわってるな、と感心。
今どきサウナも水風呂もないのが難か、と入浴するまでは思ってたんですけど、あのね、行ってみればわかります、こりゃサウナ必要ないわ、と。
やはり圧倒的なのは温泉の質。
京都南部、滋賀南部、大阪北部ではほぼ見かけないナトリウム炭酸水素塩泉が湧き出てるのが特徴的ですが、これがもうやたらと効く。
数分浸かってるだけで立ちくらみがしてくるほど。
併設された天然鉱石風呂の温浴効果も半端ない。
その日の夜なんざ、部屋が薄ら寒いのに体が火照って布団を蹴散らしてしまったぐらいで。
さらには炭酸風呂まで設置されてるときた。
いや、この状況でサウナとか満喫しようものならフラフラになりますよ。
下手すりゃぶっ倒れる。
ここまで効く、と実感できたのは近隣じゃあ十津川村の温泉ぐらいですね、私の場合。
多分九州や北陸、東北へ行ったらこのレベルの温泉って沢山あるんでしょうけど、温泉不毛な京都、大阪圏に住む人間からすりゃあ、これは虜になる、と思った。
結局なんだかんだ言って浴場は温泉ありきなのか、と強く実感した一店。
賛否あるんでしょうけど、小学生以下入場禁止なのも落ち着いて入浴できていい感じ。
子供をしつけられない親が今はあまりにも多いですしね。
あがりゃんせ風のリクライニングチェアが休憩室に多数設置されているのも好感触。
ゆっくりしようと思えば半日ぐらいは楽勝ですごせそう。
余談ですが、ガンすら治る、と喧伝されてたりします。
まあ、それはそれとして。
体の悪い箇所に効きそうな気は確かにしますけどね。
近所なら回数券買うよ、私は。
さて、次はどこへ行こうかな。
<終わり>
2018.5探訪