京都市北区の銭湯

衣笠温泉

  • 北区大将軍一条町50
  • 14:00~25:00
  • 金曜日定休
  • 大型銭湯  
  • フロント式
  • 駐車場あり 

ほとんどアミューズメントスパ状態。多様性に圧倒される。

20年ぐらい前になると思うのですが、一度だけ入浴したことがあります。
以降一切入浴したことがなし。
というのも当時、番台に座っていたばあさんと、ささいなことから大喧嘩になり「二度と来るか!」とフルチンで吐き捨てたから、だったりするのですが、いや、あの時は本当にすいませんでした。
後から思い返すとどう考えても自分が悪いんですが、なにぶん若かったもので命令口調でとげとげしい言い方をされたもので、頭に血が上ってしまったんですな。
ああ若いってのは嫌だ。
ひょっとしてあの時のばばあ、いや、失礼、おばあさまはまだご健在なのだろうか、とドキドキしながらの再来訪だったのですが、フロントに居たのは知らない人でした。
胸をなでおろす私。
向こうも20年前のこといちいち覚えてないって、とは思うのですがね。
浴室のドアを開けてびっくり。
きれいに全改装。
そりゃ20年もたてばあれこれ変わりますわな。
中央に位置する円形の湯船がまず目をひきますが、左側にもずらりと趣向を凝らした湯船の数々が。
強い、と弱いの2種類がある電気風呂は初めて見ました。
スクリュー風呂も珍しい感じ。
あ、紫野温泉にあったか。
水風呂の奥にしつらえられた巨大な水車のオブジェはいったい何を意味しているのか。
時々回るんですよね、これ。
何かに連動しているのだとしたら金がかかってるなあ、と思う。
水風呂にジェット式の打たせ水があるのもいい感じ。
肩に冷水が突き刺さります。
さらにここの水風呂、かなり冷たいです。
玉がしびれる。
冷凍サウナといい、「冷」がここのキーワードか。
その冷凍サウナ、私が入ったときは2℃でした。
一応座れるようにはなっているんですけど、こんなとこに座ってうつらうつらしだしたら生きて帰ってこれなくなる、と仁王立ちで堪能。
正直あんまり気持ちのいいものでもないです。
真夏の飲食店で、通風口のまん前に案内されて、どんどん汗が引いていった挙句、ちょっとクーラー効きすぎてるからとめて~、といいたくなる感じ。
例えが長いわ。
まあ、飛び道具で話題づくりですよね。
でもそれを実際にやってしまうのには感心しますが。
冷凍サウナの後は隣に設置された檜風呂で一息。
4Fの露天風呂も塩風呂仕様と手がこんでます。
私が一番気に入ったのは別室に設けられた人工ラドン温泉。
密閉された空間で真っ青なぬるめのお湯がじわじわ体に染み入るようです。
いつまでもはいれる。
本来ラドン浴は閉鎖された空間で効能を発揮するものだから、まさにこれは正しい入浴法である、といえます。
しかしまあ、ここまでやられたらもうぐうの音も出ませんな。
ほとんど風呂のアミューズメントパーク状態。
1時間半ぐらいは居たか。
中途半端なスーパー銭湯へ行くぐらいなら、間違いなくこちらの銭湯に行った方がいいです。
工夫と多様性、遊び心があります。
繁盛してるのも納得の一店。
お湯はややぬるめ。

船岡温泉

  • 北区紫野南舟岡町82-1
  • 14:00~25:00
  • 無休
  • 大型銭湯  
  • フロント式
  • 駐車場あり 

古さと新しさの折衝点が鮮やかなコントラストをなす

銭湯ファンのみならず、京都市内では非常に有名な銭湯。
20年ほど前に入浴したことがあるんですが、当時はそんな有名な銭湯とはつゆ知らず、門構えは恐ろしく立派だが、脱衣所はなんだか古臭くてぼろいなあ、などと不遜なことを思っておりました。
天井近くを囲む恐ろしく年季のはいった芸術的欄間の見事さとか全然眼に入ってなかった。
浴室と脱衣所の間に存在する庭園も、こういう小細工はどこの銭湯にもあるもの、と思っておりました。
大間違いもはなはだしいわけですが。
そもそも夜遅く行っていたのであまりちゃんと見えてない、というのもありましたが。
ましてや通路を彩るマジョリカタイルなんて、ケバいな、程度にしか思ってなかったわけで、本当に若くて無知であることって、嫌だ。
今回実に久しぶりに入浴したんですが、ああ、変わらないなあ、と。
歳月が施設をくたびれさせてません。
きちんとメンテナンスされてるんでしょうな。
ここが凄いのは、時代に磨かれて価値を生ずるに至った「古い」ものと、現代的に改装された「新しい」浴室がバランスよく並び立っていること。
新旧融合とでもいうか。
その白眉が露天に設けられた檜風呂で、これ、夜は夜で幻想的でいいんですが、朝風呂で一度はいってみてください、と私はお勧めしたい。
季節は冬が良いか。
小雪とかちらついていると完璧。
桃源郷です。
魂が抜けていきます。
男湯と女湯が日替わりで入れ替わるので、今回は残念ながら露天に檜風呂がある方にはいれませんでしたが。
それにしても相変わらず大繁盛。
人、人、人。
水風呂なんてコントか、といいたくなるぐらい人がたかってる。
ああ、そういえばこの混雑ぶりに嫌気がさして昔は行かなくなったんだよなあ、と変なことを思い出したりもした。
ま、時間をずらせばいいだけの話なんでしょうけれど。
若い頃ってそういう融通が利かないもので。
学生がけっこうな比率で来てましたが、若い人にはここのよさはわからんと思うがなあ、と身勝手に思ったりも。
今回気づいたこととして、サウナに水道が設置されてるのが秀逸、と感じました。
意外と重宝。
あとは高温深風呂ですが、昔はすごく熱く感じたんですけれど、今はいると、なんだこれ43℃あるかないかぐらいじゃないか、と。
主たる湯船は多分41℃ぐらいしかないと思う。
そこが物足りない人もいるかもしれない。
広さがある上、歴史を感じさせる建物で風情があり、さらに設備も充実、と並みの銭湯や中途半端なスーパー銭湯では太刀打ちできない強豪ですが、突き詰めるならやはり、もうちょっとすいてたらいいのに、ってところでしょうか。
お店からしたらすいてきたら困るわけで、こいつはなにを言ってるんだ、ってな話でしょうが。
知らない人は一度はいってみる価値は充分あります。

向かって左側の浴室の見取り図です。
明治湯

  • 北区紫野西藤ノ森町1
  • 15:00~24:00
  • 日曜日定休
  • 中型銭湯  
  • 番台式

巨大な溝にはまったような気分が味わえます

中京区の明治湯とは同名別銭湯。
これは久々にレトロ銭湯に遭遇したか、と思いきや、浴室は隙なく全改装でピカピカ。
最近は小さな街の銭湯でもあなどれません。
しかしこれ、脱衣所とのギャップがすごいな、と。
浴室が足元も壁も白を基調にしているから余計にそう思うのかもしれませんが。
目に眩しい。
こちらの銭湯、湯船のレイアウトが独特です。
普通に壁に沿って浴槽を設置すれば事足りるものを、あえてL字型に配置。
それは水風呂にも言えていて、スペースが足りないわけではないのになんだこの細長さは、と。
なんだか巨大な水槽にはいってるような気になります。
遊び心、ということなんでしょうが、確かに印象には残りますな。
ああ、惜しい、と思ったのが水風呂の温度。
水道水並みのぬるさ。
これはいただけない。
でも結構気に入りました。
大きくインパクトを与えるものではないけれど、無難で機能的にまとめてしまわない浴室作りが私は好きです。
これだけあちこちの風呂屋に行ってると正直印象がだぶる似たような銭湯もいくつか出てくるわけですが、明治湯に限ってはそれはないな、と。
末永くがんばっていただきたい一店。
ちなみにこちら脱衣籠が巨大な丸籠でロッカーに入りません。
ロッカーを使う人は大阪式に直入れで。

コミュニティバス朝日(閉店しました)

  • 北区柴野下築山町55
  • 15:00~23:00 
  • 月曜日定休
  • 中型銭湯  
  • フロント式

ウォータークーラーが織りなすコミュニティ

内装のブラウン系の色使いがなんとなく五条の梅湯風。
昭和の派手やかさを意識した、とでもいいますか。
設備は一通り充実してますが、ちょっとメンテナンスが行き届いてない部分もあるか、と。
ひねってもほとんど水の出ないシャワーがいくつかありました。
水風呂はけっこう冷たい部類。
しびれるほどではありませんが、ジンジンきます。
深風呂も43℃くらいあっていい感じ。
この温度差のメリハリは私の好むところです。
結構お客さんもはいってきます。
意外に学生風の兄ちゃんが多い。
あと、水が若干硬い印象を受けたのですが、ひょっとしたら地下水ではないかもしれません。
また、こちらの銭湯の前にはやたら自転車が止まっていて、いったいどれほど人気店なんだ?と最初は驚きますが、実は半分以上が隣のマンションの住人の自転車です。
これはどうなんでしょう、客寄せになっているのか否か。
それとも考えなく放置か。
私は過去、自転車の台数の多さに「いったい何人客が入ってるんだ」と辟易して、別の銭湯へ行ったことがあります。
蓋を開けてみれば、違うオチだったりするわけですが。
これはちょっとなあ、と思ったのが脱衣所に設置してあるウォータークーラーで、なかなか細やかな気配りだ、と思って飲もうとしたらコップがない。
あれ?と思って周りを見回すと機器の上にちょこんと陶器のコップが。
ええっ?ひとつのコップで回し飲み?
さすがにこれは、と躊躇していると隣にいた学生がこともなげにコップを取り、軽くゆすぐと冷水を注いでゴクリと一息。
うーむ、まさにこれこそがコミュニティバスとうたわれた屋号の最もたる所以か。
すいません、僕には無理です。
コミュニティの輪に加われず、すごすごと尻尾を巻いた紫野の夜でございました。

北野温泉(閉店しました)

  • 北区紫野下柏野町1の2
  • 15:00~24:00 
  • 無休
  • 中型銭湯  
  • フロント式
  • 駐車場あり

ドリームバスへようこそ。ジュビナーバスでもいいが。

きれいに改装されていて清潔感のある銭湯。
浴室も結構広めです。
表の看板に、リラックスバス、ドリームバス、ジュビナーバス、と書いてあり、リラックスはともかくとして、ドリームにジュビナーって、一体いかなるものなのか?と結構な疑問と期待があったのですが、私の見る限りではジェットバス(深)、座りジェットバス、深風呂でした。
どれがどれに該当するのかわかりません。
なるほどこれがあるからドリームか、といった仕掛けすらないので、ちょっと簡単に底が割れすぎでは、と思ったりもしましたが、まあこれも銭湯ならではのケレン味、といったところでしょうか。
それともなにか見落としているのだろうか。
ドリームをドリームたらしめているなにかを。
ジュビナーをジュビナーたらしめているなにかを。
ううむ。
くどいですね、すいません。
とりあえず深風呂はかなり大きめで気持ちが良いです。
4人ぐらいは一度にはいれそう。
座りジェットバスは一見寝風呂風なんですが、横になるには浴槽内の起伏が変な位置にあり、かといって座ると冷水管枕がちょっと低い、という妙な構造。
昔の日本人の平均身長にあわせてあるのかもしれません。
残念だったのは水風呂の温度。
ぬるい。
給水量の問題かなあ?と思ったりしましたがわかりません。
ジェット式の打たせ水があるのですが、水量が恐ろしく貧弱で打たせ水としては使える状態になし。
給水はそこからだけなんですね。
あと、タイル絵ならぬペンキ絵が浴室正面にどーんと飾られてますが、はっきり言ってヘタウマ。
誰が書いたのか知りませんが結構微妙。
ま、あれこれ気になる部分があったりはしますが、設備は充実しているし、広さがあるのでゆったりできるのは確か。
お客さんもガンガンはいってます。
近隣では衣笠温泉と並んで繁盛店ではないでしょうか。
お湯はぬるめ。

花の湯(閉店しました)

  • 北区等持院西町16-3
  • 16:00~23:40 
  • 月曜日定休
  • 中型銭湯  
  • 番台式

京都市内とは思えぬ旅情あり

嵐電等持院駅の真裏にあり、多分立命館大学から最も近い銭湯。
こぢんまりしてます。
浴室内は改装されている部分とそうでない部分が同居していて、タイルが浮き上がっている箇所があるかと思えば、まだ光沢が残っている部分があったりします。
目をひくのはやはりタイル絵でしょうか。
脱衣所にある天橋立の遠景も見事ですが、浴室内にも山と湖をモチーフにした巨大なタイル絵があります。
さすがに無粋な私もこれには目を奪われた。
何故か男女壁の上に女神像の湯口が飾ってあります。
まさかここから湯が流れる、ということはないとは思うが、と、ちょっと疑って下からシロジロ見てたら常連さんに不審がられた。
妙な感じだな、と思ったのが深風呂のジェットで、これ、左の略図を見てもらえればわかると思うのですが、湯船側面ギリギリについているんですね。
どう体をひねっても背中にうまく当たらない。
横向きに座れば、わき腹には当たるんですがジェットをわき腹に当ててもなあ。
私がこちらの銭湯に行ったのはお盆だったんですが、それがタイミング的に悪かったのか、学生は一人もいず、おじいちゃんが一人だけ。
学生だらけか、と思っていたんですが、最後には独りになってなんだか拍子抜け。
学生は衣笠温泉に行くのかなあ、とか思いつつ、ぼーっと湯船に漬かっていたら、遠くで踏み切りの音が。
嵯峨の寿湯でも思いましたが、嵐電と提携して「嵐電で京都観光、最後は銭湯で締め」ツアーでも組めないものか、と思う。
無人駅の踏み切りの鳴る音を聞きながら湯に漬かる、って旅情をそそるというか、異国情緒というか、なんだか独特なものがあると思うのだ。
特にここはタイル絵という売りもあることだし。
こういうロケーションって、貴重だと思うのですが、いかがなものでしょうか。
お湯はややぬるめ。

*記事の内容はすべて2012年のものです。現在とは違っている場合があります。

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