京都市左京区の銭湯

京都市左京区の銭湯、温泉(閉店含む)を全網羅。2020年現在、銭湯組合に加入している浴場施設の入浴料金は450円です。京都市内はサウナ料金込み。

<入浴した銭湯>銀水湯、平安湯、東雲湯、東山湯、春日湯、柳湯、孫橋湯、雲母湯、大黒湯、鈴成湯、鴨川湯、栄盛湯、栄湯、銀座湯、銀閣寺湯、宮の湯、ニューいなり、洛東湯、北白川ラジウム温泉、くらま温泉

銀水湯

  • 左京区浄土寺下南田町122の1
  • 15:00~23:30
  • 金曜日定休
  • 中型銭湯  
  • 番台式 
  • 駐車場あり

完全軟水という名の銀水を堪能

さて銀水湯には実は合計3回そっぽを向かれております。
初回はよく調べもせずに出かけて従来の定休日金曜日にぶちあたり玉砕。
2回目、3回目は何曜日だったか覚えてないのですが、平日出かけて、2回とも玉砕。
2回目の時は、ああこれはきっと閉店時間が早まったに違いない、と思ったんですね。
営業時間の短縮を知らずに閉店後のこのこ来訪、というのは風呂屋を巡り始めてよくでくわす事例でしたから。
で、3回目は相当早めに行ったんですが、明かりはついておらず、店内真っ暗。
ここでむくむくと、もしや閉店、という疑惑がわきあがってくる。
しかしネットで検索しまくっても閉店の情報は発見できない。
銀水湯のホームページも放置されてるっぽいが、まだ閲覧可能。
あまり期待せずに営業時間を尋ねるメールを出してみたが、10日を過ぎても返事なし。
よし、これで最後にしよう、と。
今回たずねてもし開いてなかったらもう諦めようと覚悟して出かけた4回目、遠くから看板にネオンがともっているのを視認した瞬間、あたしゃ軽く歓声をあげてしまいましたよ。
暖簾をくぐってみればオチは簡単、定休日が増えていたんですな。
金曜に加え月、火定休(2020年現在、金曜のみ休み)。
いやこれは予測しなかった。
週休3日とは。
ご主人の体調の問題のようです。
詳細はわかりませんが、苦労してやっと暖簾をくぐれた銭湯だけに、いささか気がかりではあります。
何ができる、というわけではないのですが。
脱衣所は年季が入ってますが、浴室は現代風にきれいに改装。
決して広くはありませんが、設備は一通り完備。
しかしまあ、ここの売りはやはり「完全軟水」でしょうな。
壁にかかった但し書きによると、アメリカ製のイオン交換樹脂を使ったマシンが、水から完全に不純な鉱物を取り除くのだとか。
なんだか他にも難しいことが書かれていたのですが細部は忘れてしまいました。
とりあえず自然界には存在しない水、というのだから凄い。
イオン交換樹脂、というと水の純度を上げる手順で使われる部品だから、ここでいう完全軟水とはある種の純水みたいなものかもしれない、と思ったりもします。
浅風呂に給湯する湯口が長方形の給水塔のような形になっているので、ひょっとするとこれが軟水変換マシンかもしれません。
とりあえずつるつるになります。
保温効果も高い。
それほど湯温が高いわけでもないのになかなか湯冷めしないんですな。
京都で軟水の風呂屋ってあんまり多くないので、軟水だというだけで私は結構ご満悦だったりします。
料金がなぜか400円(2012年当時)。
番台に座っていたのがバイトではないか、と思われる若い子だったので、特に確認もしませんでしたが、なぜか1000円でおつりが600円。
わからん。
週4日の営業ですが、一度はいってみる価値のある銭湯だと思います。
というか、これだけのクオリティの銭湯が週4日営業、というのがなんともはがゆい。
ご主人の回復を影ながら祈ります。
ちなみに銀水湯の駐車場は普通のコインパーキングで、番台で申請すると無料コインが一枚もらえます。

平安湯

  • 左京区吉田下大路町22
  • 15:00~25:00
  • 木曜日定休
  • 中型銭湯  
  • フロント式
  • 近隣コインパーキングに停めて番台で申告すると100円キャッシュバック

町中の銭湯らしくなく、スタイリッシュな浴室が魅力だが、学生の猛攻にタジタジ

いやはや大繁盛。
私が行ったのは平日21時半頃ですが、まあ来るわ来るわ学生だらけ。
きゃっきゃっとじゃれあう若人で浴室内は軽くパーティ会場状態。
多分ほとんどが京大生だと思うのですが、ひょっとして例の評判高き吉田寮の住人か。
吉田寮、昔は確か風呂がなかったはずだが、現在もそうなのでしょうか。
わかりません。
学生の猛攻に対抗すべくカランの数もスペースの割にはかなり多め。
浴室の全体的な雰囲気はどこかのスポーツクラブに併設されたバスルームのようで、機能的かつスタイリッシュな印象を受けるのですが、あまりゆっくり楽しむ余裕なし。
ボディシャワーのスペースなんて待ちが出ている始末。
仕方なしに待って私もシャワーを浴びましたが、ここはUSJかって。
あとは強力ジェットのトルネードバスが贅肉を直撃でいい感じ。
ああ、今度すいてる時間帯に来よう、と思いました。
きれいで落ち着いた雰囲気のレベルの高い一店だと思いますが、学生の集団には勝てねえ。
お湯は43℃ぐらいでちょうど良し。

東雲湯

  • 左京区田中里ノ前町20
  • 15:00~24:00
  • 火曜日定休
  • 中型銭湯  
  • 番台式 

東雲たなびく田中里ノ前

大きな通りに面している銭湯にあまり良い銭湯はない、という勝手な思い込みが私の中に少なからずあったりするのですが、それを見事くつがえしたのが、この東雲湯。
広くて清潔。
しかも内装、設備ともに新しく、きちんとメンテナンスもされている様子。
ああ、結局経営者次第なんだなあ、と改めて思い知った次第。
浴室は野太くL字型になっていてあまり見かけない感じ。
おや、と思ったのが打たせ湯。
立ち位置より、深く掘り下げる形で湯船が設計されてますが、お湯がはられていない。
空の湯船でお湯が浴びられる状態。
どういうことか、とボタンを押したら出てきたのは冷水。
予測してなかっただけに、はひ、と飛び上がる。
ふと表示に目をやると確かに打たせ水と書いてございました。
ああ恥ずかしい。
ちょっと不思議な感じでしたが、これもひとつのアイディアか、と。
ひょっとして冬はお湯になるのだろうか。
深風呂と浅風呂が妙なレイアウトで組み合わさっているのも特徴的。
なんとなく枚方の平和温泉風。
この構造では浅風呂の中央部がデッドスペースになるのでは、と思われるが、これも視覚効果を狙った遊び心か。
欠点らしい欠点の見当たらない一店。
冷暖ボディシャワーもあり。
お湯はぬるめ。
ちなみにお店の名前はしののめゆ、と読むらしいです。
「東雲」とは、夜が明けようとして東の空が明るくなってきたころ、を意味する単語らしく、あたしゃまるで知らなかった。
なんとまあリリカルで誌的な屋号か。
ぐっ、ときた。
唯一、近隣にコインパーキングがないのがいささかつらいところ。

東山湯

  • 左京区田中門前町27
  • 15:00~25:00
  • 金曜日定休
  • 中型銭湯  
  • 番台式 

向かいのマクドナルドに負けず劣らず高いニーズ

とりあえず近隣に飲食店が立ち並び、東山湯の向かいがマクドナルドだったりするので、結構遅い時間まで付近道路には若人が群れていたりします。
とくにマクドナルドの前なんて、オーダーしたものを待っているわけでもないのに所在無さげに7、8人の男女が常に道にまけ出ていて、車で前の道を通行できない状態。
軽く歩行者天国。
というかあやつらは何をしているのだ?と私ははなはだ疑問だったりするわけですが。
京大生なのかなあ。
違うのかなあ。
周りのロケーションからすると、なぜここに風呂屋?という感じで相当浮いてるのは確かです。
東山湯からすれば、こっちが先にずいぶん以前からここで商売やってるんだ、という話でしょうが。
ただ、この若人の群れの中を風呂桶もってオッサンがいそいそと銭湯を目指すのは結構勇気がいる。
狩られやしまいか、と。
嘘です。
なんだか気恥ずかしいだけです。
昔ながらの銭湯、といった外観ですが、中は思ったよりきれい。
段階を踏んで改装した様子。
とりあえず、ここにも大量の若人が。
外の喧騒とはうってかわって、お客は数人の、落ち着いた古色蒼然を予想していたのですが、予想を上回る大繁盛ぶり。
行ったのは21時半ごろでしたが、結構奥行のある浴室にもかかわらずカランの空きはひとつ。
サウナには立って入っている奴がいる始末。
参りました。
じっくり味わうどころの話じゃなし。
体だけ洗って、空いてる薬湯にちゃぽん、深風呂にちゃぽん、と短時間漬かり、早々に出てきてしまった。
また改めて、すいてる時間を狙って行きたいと思います。
短時間の滞在でしたが、気になるメンテナンス不備や不潔感はなかったことだけ最後に記しておきます。
しかしこういう銭湯にめぐり合うと、つくづく立地というか、近隣に大学、って大きいのだなあ、と思う。
決して近代的で特筆すべき設備がある、というわけではなく、古さも残っているのに、市内ではトップクラスの繁盛店、といっていいでしょう。
ちなみになぜか脱衣所にはジョンレノンのポスターとマリリンモンローのポスターが。
全共闘世代?フラワーチルドレン?
よくわからんが、京大の近所の風呂屋が60年代後半~70年代初頭のカウンターカルチャーをかかげる、ってのがなんだか興味深い。

春日湯(閉店しました)

  • 左京区吉田中阿達町36-9
  • 15:30~24:00 
  • 月曜日定休
  • 中型銭湯  
  • 番台式 
  • 駐車場あり

意外と学生らしき客はあまり見かけず

東山区、下京区の春日湯とは同名別銭湯。
浴室は結構広め。
よくあるレイアウトですが、どーん、と奥行きがあります。
古びた印象はありませんが、おそらく部分的に改装を重ねてきたのだろうと思われます。
昭和の残滓がやや香る。
薬湯の壁面のタイル等、デザインが違ったりします。
サウナが妙な位置にあって、これは後からの増築っぽい。
おや、と思ったのは中央の湯船に設置してある湯口で、小さなコック帽を鉄製にしたような形をしているのですが、中になにやら鉱石らしいものが入っているんですな。
しかしながらどこを見渡しても一切そのことに関する但し書きはなし。
隙間から見える色合いからして多分ラジウム鉱石系だと思うのですが、不明。
濾過フィルターの役割を果たしているとするなら麦飯石かも。
どちらにせよ細やかな心配りだなあ、と。
いちいち謳うほどのことじゃないのかもしれませんが、こういう石を使ってます、と一言でもあれば宣伝になるのに、とその奥ゆかしさがいささか歯がゆかったりもしました。
珍しいな、と思ったのはジェットバスの不在。
厳密に言うならジェットらしきものが吹き出ている箇所はあるのだけれど、多分これは泡風呂的な意味合いだと思われます。
対角線上に噴出してるんですな。
それなりにお客さんははいってるんですが、広さがあるのでゆったり。
とりたてて何かが特徴的なわけではありませんが、妙に落ち着けた一店。
お湯は43℃ぐらいでちょうどいい感じ。
ちなみに深風呂との境に設置してある金属製のポールに「ここから熱いお湯が出ます」との但し書きがぶら下がっており、どこまで親切なのか、とちょっと笑った。

柳湯

  • 左京区新柳馬場通仁王門下ル菊鉾町332
  • 16:30~23:45
  • 月、火曜日定休
  • 小型銭湯  
  • 番台式 
  • サウナなし

昭和レトロの極みか、はたまた時代に迎合しない異空の混沌か

京阪三条駅至近距離の一等地にぼつんと存在する異空間。
いや、ひさしぶりに濃い銭湯に遭遇したな、と。
外観は実に雰囲気があるんです。
木造の町屋風の古めかしさは、夜訪れると、漏れてくる灯りが独特の風情をかもしています。
脱衣所の壁に広がるタイル絵もなかなかご立派。
残念なのは、それらの印象を軽く上回って乱雑な店内。
浴室入り口横には常連さんの桶らしきものや洗面具が危ういバランスで山積みになっています。
ロッカーの反対側には紐でくくられた古新聞、古雑誌やチラシが散乱。
なぜか5ケース組みのティッシュペーパーも値札のついたまま放置。
風呂にはいりに来たというのに、誰がお前の部屋に上げてくれというたか?といいたくなるような状態。
浴室内も恐ろしく年季がはいってます。
部分的にちょこちょこ改装の痕跡はあるんですが、老朽化がそれを上回っている状態。
とりあえず岩風呂の湯船の縁はもう限界でしょう。
元の色がわからなくなっているぞ。
配管むき出しで壁を這う塩ビのパイプにも驚かされた。
カランのお湯と水が流れているわけですが、多分従来の配管になにか不具合でもあったんでしょうな。
また12箇所ある洗い場のうち、2箇所は鏡だけで何もなく、5箇所はカランだけ、シャワーがついているのが残り5箇所という不可思議な作りにも首をかしげた。
作ってる途中で、飽きたのか?
はたしてこれはレトロなのか、ディープなのか、判別がつかない混沌とアバウトさがここにはあります。
もうここまでくると笑うしかないですな。
もうちょっとちゃんとできるだろう、といいたくなる銭湯はたまにありますが、ここの場合、そういうのを飛び越えて軽く吹き出してしまうレベルにある。
マニュアライズとか機能的とかそういうものの対極にある印象。
帰りに脱衣所で、お店のご主人が常連のじいさんの肩にピップエレキバンらしきものをはっていたのが印象的でした。
正直なところ、このままだと、たぶんこの先何十年も営業は続けられないだろうなあ、と思われますが、それを見越しての延命措置の最中に私はでくわしているのかもしれません。

孫橋湯

  • 左京区新麩屋町通孫橋南入ル法林寺門前町36
  • 15:00~23:30
  • 水、第2木曜日定休
  • 小型銭湯  
  • 番台式 

清潔で落ち着いたたたずまいで好感度高し

京阪三条にあるブックオフの裏、といえばわかりやすいか。
こんなところに銭湯があったとは、意外でした。
何度か通ったことのある道だったんですけどね。
決して広くはない店舗であり、浴室ですが、外観を含め、きれいに改装されており、高い清潔感があります。
淡いグリーンのタイルが印象的。
具体的にどこがどうだから、と説明しにくいのですが、なんだか妙に落ち着けました。
呆けられた、というか。
私の場合、水風呂の後は5分前後トリップ状態にあるのですが、そのささやかな内宇宙を巡る旅を邪魔されずにすんだ、というか。
マナーの良いお客さんばかりだったからでしょうか。
お湯も43℃ぐらいでちょうどいい感じ。
取り立てて特徴のない、と切り捨ててしまう人もいるかもしれませんが、個人的には隠れ家的名店のたたずまいがあるなあ、と思ったりも。
銭湯における隠れ家的名店ってどんなのだ、といわれるとしどろもどろになってしまいますが。
ボディソープとシャンプーを浴室に配備。
なかなかできることじゃないです。
狭さが気にならない質の高い一店。

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