京都市西京区の銭湯

京都市西京区の銭湯、スーパー銭湯(閉店含む)を全網羅。2020年現在、銭湯組合に加入している浴場施設の入浴料金は450円です。京都市内はサウナ料金込み。

<入浴した銭湯>桂湯、上桂湯、竹の郷温泉、仁左衛門の湯、風風の湯

桂湯

  • 西京区桂木ノ下町21-2
  • 15:30~22:30
  • 月、金曜日定休
  • 小型銭湯  
  • 番台式 

西京区にともる最後の銭湯の灯

いつの間にか西京区でただ1軒の銭湯になってしまった桂湯。
それを知ってか知らずか、店内は思いのほか多くのお客さんでにぎわっていてびっくり。
勝手に閑散とした様子を想像してました。
いや、失礼。
規模から考えるとこれは充分繁盛している、といっていいと思う。
若い人も何人かいたのでちょっと驚いた。
若い人を銭湯で見かけるのは学生街か、機能的現代銭湯でしかなかったものだから。
なんだまだまだ大丈夫じゃない、と一安心。
脱衣所浴室ともさほど広くはありません。
こじんまり、といっていいと思う。
浴室は大胆に改装されてますが、そこはかとなく昭和の残滓が。
カランが設置されている台座が薄い緑という独特の配色。
こりゃレモングリーンとでも言えばいいのか。
湯船の底は大胆にも浅風呂がピンク。
ちょっと凄い色彩感覚です。
源湯には負けるがサイケデリックといっていいかもしれない。
しかもこの浅風呂、微妙に深風呂にはみだしていてちょうどその部分が腰掛けになっているのですが、当然その部分だけはピンクで、周りは水色であり、なんだか手作り感覚というか、野放図だ。
ひょっとするとご主人が自分で左官工事した部分とかあるのかもしれない。
まあ良く言えば明るいイメージの浴室ではあります。
また、何故か浴室の窓にはいくつものじょうろが不規則にぶら下げられています。
前衛芸術?
うーむわからん。
その延長線上なのかどうなのかわかりませんが、脱衣所もなかなか不思議な空間です。
ご主人の手作りだと思うのですが、壁一面に変わり時計が。
多くがアナログ壁掛け式なんですが、文字盤がお菓子の箱だったり、ラケットだったり。
これはちょっと欲しい、と思ったのが銭湯のロッカーの鍵でできた時計。
しゃれてる。
これ、好事家なら平気で数万円ぐらいははたくのではないか。
なんだかフリーマーケットにでも来たかのよう。
なかなか個性的で記憶に残る一店。
末永くがんばっていただきたいと思う次第。

上桂湯(閉店しました)

  • 西京区上桂大野町22の2
  • 15:30~22:30 
  • 火、金曜日定休
  • 中型銭湯  
  • 番台式 
  • 駐車場あり

白蛇の清水を堪能あれ

なんてことのない、よくあるタイプの昔ながらの銭湯で、特に設備が斬新なわけでもないのですが、汲み上げられた地下水を「白蛇の清水」と言い切り、それを売りにするギミックはお見事というほかありません。
ああこれこそ経営努力であり、生き残りのための戦略だよなあ、と感心。
一部の座して成り行きを傍観する昭和の経営者は見習うべきものがたくさんあると思います。
ブラックシリカを湯船に沈めて保湿保温効果を高める工夫もご立派。
不思議なもので、こうも浴室や脱衣所あちこちに「白蛇の清水」と書かれていると、なんだかありがたいような気がしてくるんですね。
いつもより肌がすべらかになっているような。
アルカリ性でも酸性でもない水、といわれると「ええっ、そうなの?」と意味なく味を確かめてみたりとか。
源泉かけ流しの水風呂、といわれるとそれはいいじゃないかとじっくり浸かってみたり。
すっかり術中におちいってしまっている私。
お客さんもひっきりなしに入ってきます。
残念だったのはサウナで、昔の銭湯に良くある、顔面ばかりが熱くなるタイプ。
これはいただけない。
しかし思いのほか堪能してしまったのは事実です。
お店の奥に駐車場もあり。
お湯はぬるめ。
じゃあ一度はいってみるか、という気にさせる銭湯だと思います。

竹の郷温泉

  • 西京区大原野東境谷町2-4
  • 10:00~22:00
  • 無休
  • スーパー銭湯  
  • 平日850円、土日祝1020円

これでもかと温泉

ホテル京都エミナースの浴場施設を一般にも開放したもの。
さて私は普段スウェットだったりジャージだったり、誰が見ても結構なレベルでみすぼらしい格好でもって銭湯を巡っているわけですが、さすがにここはちゃんとした格好で出かけねばならないか、と家を出る前にいささか悩みました。
だって一応ホテルだからなあ。
ノーネクタイはちょっと、などといわれたらどうしようか、と。
ま、結局いつもどおりの格好で出かけたんですけどね。
まさかホテルのフロントで、大人1枚、などと入浴券を買うことはなかろう、と考えていたのですが、予想通り、浴場の入り口は別。
普通のスーパー銭湯と同じです。
ホテルというより、どちらかといえば地方の温泉施設っぽい雰囲気。
軽食コーナーとかあったりします。
浴室はどーんと広いですが、いささか殺風景。
まあでも最近の新しい銭湯はみんなこんな感じか。
浅風呂が恐ろしく広く、ほとんど小学校のプール状態。
子供は間違いなく泳ぐと思う。
ま、でもここの最大の売りはやはり温泉でしょうな。
湯船はもちろんのことカランやシャワーまでも温泉水。
これはうれしい。
つるつるになります。
単純温泉らしいですが、軟水に近い質感。
水の硬度が低いようです。
個人的に不満だったのはサウナと水風呂が狭かったこと。
特にサウナをなぜこんなにも小さく設計したのか、その意図が良くわからない。
後はやっぱり湯温か。
みんな気にならないのでしょうけど、私の場合、41℃平均、というのはいかに温泉といえどもさすがに体が温まらない、と思った次第。
とはいえ部分的に温泉とかではなく、全部温泉で水道水使用なし、という施設は京都市では他にないように思うので、そういう意味では貴重だと思います。
そこに850円の価値を見出せるかどうかですな。
浴室がだだっ広いのは魅力的ではあります。

仁左衛門の湯

  • 西京区樫原盆山5
  • 10:00~26:00
  • 無休
  • スーパー銭湯  
  • 平日700円、土日祝850円

筆者一押しのスーパー銭湯

一時期結構頻繁に通っておりました。
当時は京都市内で実際に地所から湧出している温泉施設、というと仁左衛門の湯しか知らなかったんですな。
ああ、温泉で身も心もほぐしたい、と思うとここへ来てました。
また私のツボを見事に突くがごとく、露天風呂藤壺の湯温がスーパー銭湯とは思えぬ高さで。
もうそれだけで大満足。
また藤壺には温泉サウナ、とでもいうべき施設が併設されていて、これがもう半端じゃなく気持ち良いんです。
要は露天風呂の半分を小屋で覆い、ミストを噴射する装置をつけ、温泉に漬かりながらサウナ状態を体感できるようにしたものなのですが、まあ、ちょっと余所で見かけたことはない。
海外には地下空洞を利用したラジウム温泉療養施設がある、となにかで見た記憶がありますが、ひょっとしてこんな感じかしら、と思ったりも。
独特の閉鎖性が病みつきになります。
温泉水の水風呂があるのもいい感じ。
行く度に、猿のように延々水風呂と温泉サウナ、出たり入ったりしてました。
結果、疲れを癒すどころかかえって疲れたりもしてしまうのですが、なんだかもうテンションがあがってしまって止まらない状態。
藤壺がフィールドアトラクションのように立体的に作られている、というのも大きいと思います。
二つの岩風呂には高低差があり、水風呂は岩風呂よりさらに高い位置に設置、しかもベランダ風の通路から全てを一望できる、という構造もいい大人がはしゃいでしまう要因になっていると思う。
え、私だけ?
源泉かけ流し、というのもうれしい。
雨が降ると屋根がないので直撃、というのがいささか難ですが、それはそれで隣にいるオヤジと思わず苦笑いをかわしたりもして、不思議に愉快だったりする。
露天以外の設備も充実。
サウナは2箇所設置でひとつは塩サウナ。
室内には露天の水風呂より低い温度の水風呂がもうひとつ配備。
反対側の露天空蝉には岩壁を滝状に流れて来る源泉の打たせ湯もあります。
さすがに街の銭湯派の私もここまでやられると文句なし。
唯一気になるのは源泉の匂いなんですが、硫黄の匂いともまた違う独特の匂いなんですね。
私は気になりませんが、中にはつまづく人もいるかもしれません。
そこはあなた自身で確かめてみてください。
ちなみに1Fはロビーやカットサロン、エステで入浴受付は2F。
男湯と女湯は偶数日と奇数日で入れ替わります。
料金の安さも魅力のお気に入りの一店。

空蝉側の見取り図です。

風風の湯

  • 西京区嵐山上河原町1
  • 12:00~21:30
  • 無休
  • スーパー銭湯  
  • 平日1000円、土日祝1200円

観光地型スーパー銭湯

スーパー銭湯にしては珍しく駐車場がありません。
立地的には作れそうな感じなのですが、そこをあえて作らなかったのはなにか理由があるのかもしれません。
阪急嵐山駅から目と鼻の先なので、交通の便は良いといえば良いのですが、観光目的でもないかぎり、嵐山駅まで電車に乗る、ということもなかなかないような気もします。
私はこれまでの人生で一度も嵐山線に乗ったことがありません。
なので、大きくは観光客向けの銭湯、あとは地元の人が来てくれれば良い、というスタンスであるように思います。
ちなみに施設の真向かいに有料駐車場がありますが、ここ、1回停めると時間関係なしに1000円とられるんですよね。
とてもじゃないが風呂にはいるために停めておける駐車場ではありません。
余談ですが、この駐車場、夜間は無人です。
これ以上はなにも書かないぞ。
店内は思っていた以上に小ぶり。
市内のスーパー銭湯の中でも最も小さい部類に入ると思います。
食事のできるスペースもなし。
浴室までは通路が畳張りになっています。
最近よく見かけるパターン。
トータルコンセプトはおそらく秘湯で温泉旅館。
まあ最近はどこもそうですが。
浴室はシンプルの一言。
不定形な岩板を貼り合わせた足元や、木でできた風呂椅子等、雰囲気作りに腐心しているのは伝わってきますが、設備そんものにはほとんどこだわっていない、といっていいでしょう。
ジェットバス、電気風呂等不在。
なんとなくくらま温泉を思い出したりもしました。
珍しいな、と思ったのは温泉が内湯にあること。
普通は露天を温泉にするものですが、ここは何故か内湯が温泉。
サウナも手狭です。
4~5人が限界か。
ちょっと面白かったのが、水風呂で、浴槽が臼状につぼ湯をふたつ掘り下げたような形になっているんですね。
意味なく愉快。
総合的に、他府県から観光に来た人たちの非日常を演出する一助にはなるか、とは思いましたが、近隣の人間が普段使いの銭湯にするには立地、料金面も含め、なかなか難しいものがあるかもしれない、とは思いました。
ちなみに泉質は低張性弱アルカリ性温泉。
あまり期待はしていなかったんですが、思っていた以上にぬめりがあり、しっとりしたお湯で、湯後、なかなか冷めずにいい感じ。
嵐山という観光地とご一緒にどうぞ。

*記事の内容はすべて2012年のものです。現在とは違っている場合があります。

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