入院とか、自分に関係ないと思ってた 2

1日目はこちら

2日目

夜9時に消灯で眠れるはずもなく。

ようやくまどろんだのが夜中の3時ぐらいで、それも7時の朝食で叩き起こされる。

風呂に入ってないのが気持ち悪い。

普段から毎日風呂に入らないと一日をリセット出来ない人なのに、消灯後は給湯室も洗濯室も使えないとか、ありえない。

体を拭くことも出来ない。

シャワー室は予約制で10時から16時まで。

残念ながら骨髄検査後なので1日空けないとシャワーは使えない。

朝一で点滴を引きずりながらタオルを絞って、ベッド横でフルチンになる。

全身をくまなく拭く。

「〇〇さーん、検温と血圧でーす」

カーテン、オープン。

多分20代ぐらいであろう看護師の女性と、フルチンの状態で目が合う。

「あー、体かゆかった?」

さすがに慣れたもので、オッサンの丸出しごときでは怯みもしない。

入れ替わり立ち替わり色んな人がやってくる。

主治医、循環器科の医師、見習いらしき新米医師、院内薬局の薬剤師、それに一日3度の看護師巡回。

寝不足なのにうとうとしてる暇もない。

しかも全員が似たようなことばかり質問する。

この病院には横の連絡網という概念がないのか、とイライラする。

朝食後に飲まないといけない薬が馬鹿みたいに大量に用意される。

全部で11種類。

薬で満腹になるわ!って。

コーンポタージュのつぶつぶだってもう少し遠慮する。

午後、院内の歯科へ。

飲んでる薬のせいで歯がやられる可能性があるらしい。

歯磨きの指導を念入りにされる。

10年ほど放置していた虫歯が3分ほどで治る。

その後、エコノミー症候群予防のための検査。

明日から退院に向けてのリハビリもやらないといけないらしい。

いや、昨日まで働いてたし、全然体弱ってないんだけど・・・。

相変わらず飯が少ない。

ああ、腹が減る。

3日目

やっぱり眠れない。

朝方ようやくまどろんだかと思えば、案の定朝食前に看護師来訪で叩き起こされる。

本日、ようやく念願のシャワー。

予約した時間にいそいそとシャワー室にでかけて仰天する。

いや、これ多目的トイレやん・・・。

もちろん便器はないが、作りが全く同じ。

あたかも便所で裸足になってるような、いやな気分に。

特に吟味することもなく、言われるがままこの病院に入院したが、こういうところに差が出るのかもしれん、と思ったり。

まあ、治療が確かなら文句ないんですけどね。

なんだかんだと人が来る。

いきなり大量の薬を飲み始めたせいか、気分が悪い。

弱い吐き気がずっと続く。

4日目

昨晩、夜中にどうしても喉が渇いて自販機でなにか買おうと病室を抜け出したら、看護師にエレベーターの前で声をかけられる。

「どうしたの」

うんざりしたかのような声。

「いや、喉が渇いたんで1Fの自販機でなにか買おうかと思って・・・」

「ふーん」

あからさまに疑っているような目線。

「いや、共用ポットのお茶、21時過ぎたら汲めないでしょ?便所の水しか飲むものないし・・・」

「・・・水なら用意できるけどね」

それは便所の水ではなく、別水栓の飲用の水なのか?と聞きたかったが、なんだか気圧されて質問できず。

「・・・・じゃあ、部屋で待ってます」

すごすごと引き返す私。

なんか知らんが威圧感がすごい。

なんで俺は前科者みたいな感じになってるの?と思うが、何も言えず。

夜中に脱走するやつとか居るんだろうか?と思いつつ、ぬるい水を一気に飲み干す。

「あんまり水分とか取りすぎないようにね、それと体重増えるのも駄目だから」

朝食後にやってきた主治医にいきなり念押しされる。

こういうことだけは横の連絡網、しっかり機能するんだな、おい

昨晩の看護師の不審げな顔が脳裏に浮かぶ。

とりあえず、持参してきた水筒にお茶を常に入れておくよう、心がけることにする。

21時までにすべてを準備して夜はとにかくじっとしてるのが肝要、と学ぶ。

続く

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