縁切り神社から北へ~魔界都市京都にたぶらかされた睦月【京都】

京都市東山区に来ております。

東山区といえば清水寺や円山公園(八坂神社)に花見小路、南座等々、観光客がこぞって押し寄せる地域ですんで、絶対に近寄るまい(人混み嫌いなんで)と常日頃から思ってたりするんですけど、今回ですね、どうしても行きたい神社が東山区にあって、意を決してお出かけしてまいりました。

ま、コロナの影響で観光客が全然やってこない、という噂ですんで、普段よりは人出は少ないんじゃないか、と。

わかんないけど。

近々まん延防止法が発令(2022.1当時)されそうだから、行くなら今しかないかな、って感じですかね。

はい到着、ご存じの方も多いかと思うんですが、縁切り神社で有名な安井金比羅宮でございます。

強力に効果がありすぎてやばいと昔から噂の一社ですね。

とにかくここの神様は手段を選ばない、と有名で。

会社の嫌いな同僚と縁を切りたいと願ったら、自分が突然転勤になったとか、会社そのものがつぶれてなくなったとか、酒をやめたいと願ったら、交通事故にあって入院することになって、飲みたくてもの飲めない状況になったとか、その手の話は嘘か誠かネットで大量に見かけたりします。

なんでそんなにブラックなウィットに富んでるんだよ、笑うせぇるすまんかよ!って話だったりはするんですけど。

それを承知の上で、どうして私がここに来たか?なんですが、ま、いうなれば「念押し」ですかね。

ちなみに誰かと縁を切りたいとか、恋人と別れたいとか、その手の生臭い悩みじゃないです。

私はリアルじゃはっきり物を言うタイプなんで(ネットじゃかなり気を使う方だったりしますが。だって色々怖いいしね、うん)人間関係であんまり悩んだことない。

・・・・だからお前は会社で孤立してるんだよ、って、ほっとけ!

いや、もうねー、年も年だし最近体調悪いんでねー、色んな悪習慣をやめて食生活を変えていこうと最近努力してるんですけどね、なかなか誘惑に負けちゃいそうになるんで、神前で誓っておこう、と思ったわけですよ。

そんなに深刻な願いじゃなくてすまん。

意思が弱いんで、縁切り神社にて強制性を加えよう、と思ったんですね。

ここならなんか色々と未知の効果が発動しそうだし。

私みたいなタイプはマジでやべえ、と思わなきゃ動かないからね、ほんとに。

ぐわ、すげえ混んどるがな。

とっくに正月は終わってるぞ。

そんなに縁を切りたいことがあるのかよ、現代人。

いきなりありました、縁切り縁結び碑

写真じゃ知ってたけど、実際に目の当たりにすると、なんかもう禍々しい迫力満載で気圧されます。

しかし形代の数がすごいな、これ。

坊さん呼んで護摩壇で全部燃やしてもらった方がいいんじゃないか?と思えてくるほどだ(仏教だから、それ)。

とても神社とは思えんし。

多くなりすぎると神主さんが全部剥がして捨てるらしいですけどね。

裸の状態を一度見てみたいものだ。

参拝そのものは縁切り縁結び碑に形代貼り付けることで完結するんですけど、実は手順があるらしくて。

写真に写ってる北側の鳥居から境内に参るのが、実は正解。

私が入ってきた正門は東側なんですよね。

ええそりゃ、調べましたとも。

まずは北の鳥居の西側にある安井天満宮に手を合わせる。

次に三社、三玉稲荷社、厳嶋社に手を合わせる・・・・って、工事中で誰もおらんがな、神さん!

いきなりつまづいてるんだが、こればっかりはどうしようもないしなあ。

あー、なんか雲行き怪しくなってきた。

そして本殿に手を合わせて・・・。

形代に願い事を書く。

最後に縁切り縁結び碑に穿たれた穴をくぐって、反対側に出たのち、再び穴をくぐり帰ってくるんだけど、お嬢ちゃーん、そこで立ち止まってたら、後が行列になるよ~。

しかし、この若さで縁を切りたいことがすでにあるのか??

縁結びのほうかもしれませんけどね(個人的には縁結び、後付けっぽいなあ、と思ってたりするんだけど)。

で、ここでひとつ、これから安井金比羅宮を訪れようとする方に注意。

形代に塗りたくる糊は縁切り縁結び碑の裏側に置いてあるぞ!

糊がない、と慌ててあちこちウロウロしまくった不審な中年は何を隠そうこの私だ。

つまり、碑をくぐって、形代に糊を付け、再びくぐったのちにぺたん、と貼り付ける、という手順なわけですね。

いやいや、わからんがな、書いておいてくれよ。

あと、衆人環視の中、いい年をしたおっさんが碑をくぐり抜けるのは恐ろしく勇気がいる、とだけ記しておこう。

コロナが流行する前は、ここ24時間開いてたんで、恥ずかしい人は夜中とか、早朝に行ったらしいんですけどね、今は9時-5時だからなあ。

かまわぬ!笑わば笑え!と本気を見せるしかあるまい。

形代を貼り付け終わったら、今度は逆の順序で本殿→三社、三玉稲荷社、厳嶋社→安井天満宮とお礼参りをして北門から出ることで儀式は終了、なんですけど、なんかもう人が多すぎて、私の言い分とかちゃんと届いてる?神さん?と思わなくもない。

余談ですが、ここは神社というより、術場だ、と言ってる人もいますね。

誰かがこの場所に強力な呪術(縁切りの)を施して、かつては位の高い人達に密かに利用されてたんだけど、その後、一般に開放されるにあたって、荒らされぬよう、神々を祀った、と。

本当かどうかわかりませんけど。

けど、私が実際に見た感じではどう考えても碑が中心な気はした。

境内の絵馬とか見てると、術場だ、という説に頷きたくなるものもあったり。

絵馬全部がそうじゃないですけど、・・・これ、書いてあること呪いだから、と寒気がするようなものがちらほら。

神社で「誰々を懲らしめてやってください」みたいな願いはやっぱりアウトだと思うんで。

思わぬ不遇をゼロベースにする、ぐらいのつもりでちょうどいいのかもしれません。

ついでなんで、近所にある六道珍皇寺にも寄ってみた。

六道の辻と呼ばれる、あの世とこの世の境目が存在する場所だと古くから伝えられてますね。

安井金比羅宮とはうってかわって全く人が居ない・・・。

六道まいりの時期(お盆)とかはすごい人出らしいんですけど、さすがに正月早々地獄の釜も開かぬ、といったところか。

小野篁という平安時代の役人が、地獄へ通うために使っていた冥途通いの井戸があることでも有名ですね。

どうやらこの奥にあるみたいなんですけど、扉が閉まっとるがな!

すでに夕刻であるせいか、それともコロナで時短なのか、わかりません。

2011年に黄泉がえりの井戸が発見されて、これで行きと帰りの道行きがはっきりした、と話題になったんですが、この状態では近づくこともできず。

隙間から無理やりカメラをねじ込ませて撮影してみた。

多分、右奥にあるやつが冥途通いの井戸

黄泉がえりはどこにあるんだよ。

しかし、それにしても小野篁って人は勤勉だなあ、と思う。

昼間は昼間で宮中にて働いて、夜は冥府にて閻魔大王の側で裁判の補佐をしてた、ってんだからいつ寝てるんだよ!って話だ。

冥途通いの井戸の写真があった。

覗き込めない自信があるぞ、俺は。

間違いなく引っ張られる気がするから、うん。

このあたりは落語のネタにもなった幽霊子育飴が実際に販売されていたりとか、なにかとあの世に近い感じなので、日が暮れてから来てみるのもいいかもしれませんね。

もし仮に、それでなにかあってもわしゃ責任とれんが。

なんだかちょっと怪奇じみてきたんで、今回は京都の闇巡りってことで、ついでにもう一箇所、気になるところへ行ってみるか。

<2ページ目へ続く>

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