もはや信仰も家内制手工業、中風寺奥の院【京都】

日吉ダムから車を走らせてやってきたのは南丹市の北端にある中風寺。

ここ、日本で唯一の「中風除けのご祈祷」をやってる寺らしいです。

中風って、今はあんまり言わないし、私もよくわからなかったんで調べてみたら、脳卒中に代表される脳血管障害とその後遺症のことだとか。

そんなものを「除け」られる、と言っちゃっていいのか?と思わなくもないんですが「悪い風に中る(あたる)と病になる」と考えられていたことを斟酌するなら「風をよける祈祷」もありなのかもしれません。

うーん、休日なのにもかかわらず、誰もいない・・。

で、ですね、実は私が訪れてみたかったのはこちらの本堂ではなく奥の院でございまして。

普通奥の院というと、山深く、人里離れた険しい場所にあったりするものですが、こちらの場合、道路を挟んで向かい側に造営されてたりします。

「奥」とちゃうがな。

どう見ても農家の庭先ってな感じのところを進んでいくと・・・。

農機具置き場かと見紛う建物に千人堂との看板が。

人ん家に黙ってお邪魔してしまったような罪悪感が半端ねえ。

なんか間違って入っちゃった?と焦る私。

いいんだよね?進んで?

案内板のイラストが中途半端に親和性高くて逆に怖ええよ。

うわああ、これは・・・。

中風除けじゃなかったのかよ。

コンクリ打ちっぱなしのろくに日も差さぬ半地下に、所狭しと色々飾られてるばかりか人工池まであって、もー、ありがたいのやら呪術的なのやらわけがわからん。

なんか肌が泡立ってくるから、いや、マジで。

半地下を出ると、向かいになにやらインダストリーな建物が。

ああ、あれだ、ほら、生コン製造してる工場。

とりあえず正面の階段を登ってみる。

生コンの原材料練ってるはずが、なぜか御仏鎮座してらっしゃった。

石碑の手前におかれた薄汚れてるホース類に目を奪われてはならぬ。

生コンはもう忘れろっ。

行く先々に御仏。

いったいどうやってこれだけの数を、決して広くはないビル型の屋舎に運び込んだんだ。

もはや石仏のラビリンスである。

どこに居ても御仏の視線からのがれられん。

出口はどこなんだよ~。

やっと出れたかと思いきや、まだなんかあります。

見てくれは相変わらず人家としか思えんが。

いきなり逆光で釈迦如来像。

外と中のイメージが違いすぎて、思わず怯むことおびただしい。

遠景で見晴らすなら普通に田園風景なんですけどね、一歩足を踏み入れると異界が展開。

いやー噂には聞いてましたが、実際に目にすると想像以上のインパクトでした。

手間隙かけて惜しみなく経費と労力を注ぎ込んでるのはよくわかるんですが、もう混成宗教一歩手前なんだもの。

民間信仰にも似た新たな教義が醸造されそう。

ミスマッチをものともせぬ豪腕に降参ですね。

んじゃまあ、風も強くなってきたんで退散します。

帰り道、なんか気になる看板があったので寄ってみる。

見学できる鉱山?

閉まっとるがな!

それでは(株)男前豆腐店本社工場前にて、ごきげんよう。

いつも食ってるぜ!ありがとう!

さて、次はどこへ行こうかな。

<終わり>

2019.3探訪

コメント

  1. […] <中風寺奥の院【京都】に続く> […]

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