伊賀市の銭湯【三重】

伊賀市の銭湯、スーパー銭湯(閉店含む)を全網羅。2020年現在、銭湯組合に加入している浴場施設の入浴料金は400円です。

<入浴した銭湯>太陽温泉、丸万温泉、一乃湯、池澤湯、伊賀の湯、さるびの温泉、野天もくもくの湯、芭蕉の湯、朝妻の湯、やぶっちゃの湯

太陽温泉(閉店しました)

  • 伊賀市上野向島町3468-2
  • 15:30~22:00 
  • 水曜日、25日定休
  • 中型銭湯  
  • 番台式 
  • 駐車場あり
  • サウナなし

昔ながらの街の銭湯

あとからネットで調べていて知ったのですが、こちらの店、駐車場があるようです。
今回、場所を確認できていません。
店外にも店内にもなんの張り紙もなかったので、私はないものと思い離れた場所に車を停め歩きましたが、実は近隣に全くコインパーキングがないので、存在するのなら駐車場に停めた方が絶対楽です。
すいません、お店の人に聞いてみてください。
暖簾をくぐるといきなり脱衣所が板張りで、伏見の泉湯か、と仰天。
中央に申し訳程度にゴザがひかれていますが、昭和のテイストは濃厚。
ところが相反して浴室は、思いのほかカラフル。
いろんな種類のタイルを補修のたびに使っているからでしょうな。
すべて寒色なのにもかかわらずなんだか目に鮮やかです。
老朽化を放置しない気配りが見て取れます。
浴槽の上がり口に段差があるので、どちらかといえば設備は大阪風か。
湯船のお湯はミネラル温浴泉仕様。
特に何も沈んではいませんが、あきらかに肌触りの違うお湯でああ、これは間違いなくミネラルだ、と実感。
私が行った時間は完全に貸しきり状態でしたが、これをたったの380円(2014年当時)ではいれるのなら全く文句なしだろう、と思えるクオリティであったことは確かです。
お湯も43℃ぐらいあってちょうどよし。
サウナ派には物足りないかもしれませんが、私は不思議に満足しました。
どこか京都の古い銭湯のような雰囲気もあります。

丸万温泉(閉店しました)

  • 伊賀市上野西町3363
  • 15:00~21:30 
  • 金曜日、25日定休
  • 小型銭湯  
  • 番台式 
  • 駐車場あり
  • サウナなし

昔ながらのレトロ銭湯

さてこの屋号はいったいなんと読めばいいのか?

まるまん温泉か、それともまんまる温泉か、それともちょっとひねってまんじるし温泉とか、よろずがこい温泉とか、もちろん看板にフリガナがうってあるはずもなく、今もって不明。
組合に聞けば多分わかるんでしょうけど、まあ、そこまでするほどのことでもないか、と。
番台で聞けばよかったんですけどね、番台のばあちゃんが女湯で話し込んでいたものだから、なんとなく聞けずじまい。
店内は濃厚にレトロです。
おお、きたきたってかんじ。
あれこれすばらしく年季がはいってます。
特に考えなしにあちこち観察しながら脱いだ衣服をロッカーに入れようとしたのですが、これがいざ押し込んでみると籠がつかえてはいらない。
しまった大津市式だったか、と。
常連と思しきじいさんの無遠慮な目線をなにげにかわしながら籠の中身をロッカーに入れなおす。
ええ、一見ですとも、それがなにか?
浴室内もシンプルかつレトロ。
いささか浴槽のレイアウトが妙な感じですが、滋賀県のどこかで遭遇しなかったか、といいたくなるような雰囲気です。
しかしながら浴槽の上がり口には大阪風の段差が。
やはり伊賀市の銭湯の造りは大阪の影響下にある、と見ていいようです。
おや、と思ったのが洗い場に排水溝がないこと。
流れたお湯は点在する排水口に流れていきます。
これも大阪で確か、2軒ほど見た記憶がある。
総合的に、特にこれといって広くアピールするものはないように思いますが、お湯はきっちり43℃はあり、年月を経ていること以外に大きく気なる部分もなく、これで380円(2014年当時)なら個人的には充分満足。
この規模で駐車場がある、というのにも感心しました。
周辺の町並みの独特さに感化されたのか、なんだかひどく遠くに来たような気がした一店でした。

* Google mapの表記では丸万温泉となってました。

一乃湯

  • 伊賀市上野西日南町1762
  • 14:00~23:00 
  • 木曜日定休
  • 中型銭湯  
  • 番台式 
  • 駐車場あり
  • サウナなし

昭和レトロ銭湯を謳うレトロモダン

伊賀市の銭湯では有名な一店ですが、有名なだけのことはある、と思える銭湯でした。
なかなかわかりにくい場所にあるんですが、近くまで行くと路地に案内の看板が。
「一の湯まであと256歩」の看板には軽く笑ってしまった。
外観も夜目に目立って電飾です。
京都の鶴湯かはたまた桜湯か。
駐車場には勝新の座頭市のパネルが。
昭和レトロ銭湯を標榜するだけあって、演出にも心を砕いているようです。
店内は見事に昭和ですが、単に古いだけでなく、古いものを丁寧に磨き上げ骨董にまで昇華させたかのような細心がそこここに見て取れます。
ちなみに脱衣所には石原裕次郎のパネル。
男女を仕切る壁には欄間があり、浴室へいたる通路には庭園が設けられています。
実に雰囲気があります。
これは浴室にも期待できるか、と扉を開けてびっくり。
もう、まるでそのまま北摂、北河内の銭湯。
いつのまに俺は1号線を南下していたのか、と錯覚するほどそのまま大阪北部の銭湯仕様。
いや、意外でした。
こんなところでこのような内装に遭遇するとは。
私の場合、大阪北部の銭湯にはいやというほど通っているので、なんだか拍子抜けではありましたが、まあこれはこれでありでしょう。
総じて営業努力がはしばしに感じられるレトロモダンな店、といえると思います。
京都の人なら長者湯を想像してもらうとちょうどいいかもしれない。
お客さんもひっきりなしに入ってました。
ちなみに駐車場は店の横と真向かいだけでなく、近隣のあちこちのパーキングを契約しているようです。
数が多すぎて把握しきれませんでした。
伊賀市に行ったら一度は入浴してみる価値のある雰囲気作りに腐心した銭湯だと思います。

池澤湯

  • 伊賀市上野愛宕町2892-4
  • 15:00~21:00 
  • 水曜日定休
  • 小型銭湯  
  • 番台式 
  • 駐車場あり
  • サウナなし

昔ながらの街の銭湯

ここは車で侵入しても本当に大丈夫なのか?と思えるような非常に狭い路地を通り抜けると店舗があります。
多分ワゴン車は通れません。
軽自動車でギリギリか。
私は一乃湯方面から行ったので、なおさら狭い道に突っ込んでしまったのかもしれませんが。
南側からぐるりと回りこんだほうが車では行きやすいかも。
脱衣所、浴室ともこじんまりと昭和です。
歴史を感じさせます。
しかしながら年月の風雪がそのまま老朽化につながるのを水際で食い止めるがごとく、あちこちに手を入れた形跡があり、思いがけぬ清潔感に感心。
細やかな補修、清掃を心がけているのが伝わってきます。
脱衣所にプリントアウトされた飲料の値段表が貼ってあったり、血圧を測るマシンが置いてあったりするのにも驚き。
新しいお客さんにも来てもらおうとする試みが伺えます。
浴室もシンプルながらこぎれいでどこかかわいらしい感じ。
奥のペンキ絵は浴室壁にじかに書かれたもののようですが、女湯まで続いており、なかなかインパクトがあります。
ジェットバスの横には小さなタイル絵もあり。
また、他の伊賀市の銭湯がそうであるように、こちらにも浴槽の上がり口に段差があるんですが、なんとその段差がびっしりと細かいタイルで埋め尽くされてます。
初めて見た。
じっと見てると目がチカチカする。
4、5人もはいればもう満員では、と思える広さではありますが、なんだか不思議に落ち着いた。
どことなく京都の銭湯っぽくもあります。
あと、720度回転式のシャワーのハンドルにもびっくり。
奈良だけかと思ってた。
外観からは伺えぬ良さのあるレトロ銭湯だと思います。
古いながらにも良いものを提供しようとする意気を感じました。

伊賀の湯

  • 伊賀市久米町687-1
  • 10:00~24:00 
  • 無休
  • スーパー銭湯  
  • 全日800円

店員の質の高さとリーズナブルな料金が魅力

おおむね平均的なスーパー銭湯、と言っていいと思います。
広さ、設備ともに過不足なし。
出かける前は、伊賀市の大型浴場施設はほとんどが温泉を売りにしているので、温泉が湧いていないのはなかなか厳しいかも、などと思っていたのですが、いざ入浴してみると、思った以上に工夫をこらした一店で感心。
浴場に関していうなら湯種が豊富。
炭酸泉に加え、ブラックシリカ風呂、露天は南紀白浜の湯を再現した人工温泉。
同じ湯種の湯船が二つとありません。
ああ、これも、あれもはいらなきゃ、と俄然テンションがあがる。
背中をお湯が流れる座り風呂もなかなか心地よし。
時間を忘れて長居してしてしまいました。
さらに私がすばらしい、と思ったのは店員の教育。
浴場内の風呂椅子を片付けたり、ゴミを掃除したりするために、スーパー銭湯では店員が頻繁に浴場内をうろうろしているのが常ですが、こちらの従業員、お客さんが通路を通ろうとするとさっと一礼して通路を空けるんですね。
たいていのスーパー銭湯ではわずらわしそうに体をのけぞらしてすり抜ける店員がほとんどですが、フルチンの客相手に目礼とは、軽く唸った。
いや、お見事。
経営者のプロ意識の高さが伝わってくる。
帰りには手の空いたらしき店員が下足箱横で、ありがとうございました、と頭を下げてお見送り。
ほとんどがバイトだと思うのですが、ここまで徹底させるのはなかなか出来ないことだと思う。
1ヶ月を通じて各種イベントも盛りだくさん。
料金も800円とリーズナブル。
ちゃんと自分の店のウィークポイントがわかっていて、それをどうリカバーしていくか思案し、実践にうつしている銭湯だと思います。
他のブームに便乗しただけのスーパー銭湯が見習うべき点は多い。
気に入りました。
近ければちょくちょく通うこと間違いなし。
もちろん温泉があるのに越したことはありませんが、ないからといって物足りない気持ちにはならない優良店だと思います。

さるびの温泉

  • 伊賀市上阿波2953
  • 10:00~21:00 
  • 火曜日定休
  • 日帰り温泉施設
  • 全日800円

ほっこりって感じの温泉施設

163号線を延々津市の方向に進み、途中で北に左折、山中を進むと中腹にあります。
夜行ったのでよくわかりませんが、多分周りには何もないような気がする。
看板がかなり手前から出ていたので、迷うことはありませんでしたが、何もなかったら多分どこで曲がるかすらわからなかったかも。
目印らしき建物とかコンビニとか一切なし。
ただ、道はきれいに整備されていて、ここ車が通って大丈夫なのか?と疑問になるような獣道を分け入るってなことはありません。
外観はいかにもな日帰り温泉施設。
入り口付近で産直野菜を売ってたりします。
1Fは主に物販やレストラン。
入浴受付は2F。
脱衣所に入っておや、と思ったのは浴場への入り口が3箇所もあること。
これはなかなか珍しい造り。
それぞれが露天、内湯、3Fの内湯へとつながっています。
各浴場のスペースはさほど広くはありません。
中型銭湯の浴室が三つ併設されたような感じ。
設備的にもさほど特筆する部分はなし。
温泉一本勝負。
しかしわざわざ浴場を3分割したのは斜面に作ったからスペースが確保できなかった、って事なんでしょうかね。
駐車場も分割されているしなあ。
3Fの浴場のみ、源泉かけ流しになっていてどうやらここだけあとから作ったよう。
他は10%の加水。
ちょっと不思議だったのが露天に三つ並んだ蒸し風呂風の小部屋で、入り口に自分で裏返すのであろう「使用中」「空き」の札がかかっており、どうやら一人で使う代物のようなのですが、はて、この中に入って何をすればよいのかがよくわからない。
中はすのこが敷いてあるだけ。
腰掛けもなければシャワーもなし。
天井付近にミスト噴出孔らしきものがあったのですが、稼動しておらず、稼動させるためのスイッチも見当たらない。
仁王立ちで呆然。
どうすればいいんですか、これ。
他に目に留まったのは入り口付近にあった飲用の温泉水のお湯吐き。
ちょっと口に含んでみたんですが、幾分硫黄っぽい匂いが鼻の奥に抜ける感じでなんだか効きそう。
ろ過してあるのかどうか知りませんが、直か飲みできる、ってのは源泉の質がいいということなんでしょうな、きっと。
残念だったのはせっかくサウナがあるのに水風呂がなかったこと。
これで水風呂があればほぼ文句なしだったのですが。
最近の施設ではないと思うのですが、改装したばかりのような清潔感があり、源泉かけ流しの大きな浴槽があることも個人的にはポイント高し。
泉質はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉。
やぶっちゃとほぼ同じ、ということか。
結構なぬめりがあり、やたら温まります。
男湯と女湯はローテーション制。
何故かパン工房があり、近隣には野外キャンプ場、テニスコート、ゲートボール場等あり。
繁忙期以外は再入浴も可。
立地の不便さはありますが、休日をゆっくり過ごす多様性があるように思います。
パンと産直野菜が気になるぞ、私は。
ちなみに障害者半額、70歳以上650円です。

野天もくもくの湯 伊賀の里もくもく手作りファーム

  • 伊賀市西湯舟3609
  • 13:00~21:00 
  • もくもく手作りファームの休業日に準じて休業(おおむね水曜日)
  • 日帰り温泉施設
  • 全日750円
  • サウナなし

日常と隔絶した立体的露天が魅力

もくもくファームという、農園とかレストランとか食育とか、あんまり詳しくはよくわからないのですが、そのあたりがすべてごっちゃになったネイチャーテーマパークみたいな施設の中にある浴場です。
厳密に言うと施設入り口の横に併設されている、と言うのが正解ですが。
もくもくファームの中に入ると入場料が発生するので、間違って入ってしまわないように。
それはそれで動物とも触れ合えて楽しめるかもしれんが。
しかしまあ、迷った。
久しぶりにさんざん道に迷いました。
いや、それほどわかりにくい場所にあるわけではないんですけどね。
ホームページを見ると775号線を曲がるように書かれているのも軽いトラップ。
標識は49号線と表示してるし。
307号線から422号線を経由し、途中、まあ一応県道だか、国道みたいだろうし大丈夫だろう、と50号線を抜けていこうとしたのが最初の失敗。
いきなり車一台分がギリギリの山中獣道。
しまった、と思ったときにはもう引き返せない状態。
対向車がきたら完全にアウト。
慎重にハンドルを操作しながら早くこの悪路から脱出させてくれ、と手に汗じっとり。
右へ左へとうねうねと時速30キロぐらいで暗闇の中をヘッドライトだけを頼りに進む。
これ、事故ったらJAFにどう説明して来てもらえばいいのか、などど考えながら、前方のカーブに神経を尖らせていると5メートルほど先に道をふさぐなにか小山のようなものが。
思わず大きく息を吸い込む。
猪ですやん。
あわててブレーキを踏み込む。
陽もどっぷりくれた夜8時、猪と山中で対峙。
これであわてない人が居たらお目にかかりたい。
あたしゃ猟の経験もなければ、奈良の鹿以外に野生動物と見つめ合ったこともない。
完全にパニック。
何をどうしたらいいのか頭が真っ白。
多分見つめあっていたのは数秒だと思うのですが、猪がフン、と鼻を鳴らし左の雑木林に消えていくまで生きた心地がしませんでした。
命の危険を覚悟した。
もう完全に風呂めぐりのウェブサイトに書き記すような内容じゃなくなってます、すいません。
高鳴る心臓に落ち着けと言い聞かせながら、再び遭遇することのないことを祈りながらゆっくり発進。
ちなみにその5分後ぐらいに逃げていく鹿とも遭遇しました。
ここはいったいどこだ。
三重県じゃないのか。
結局50号線をなんとか抜けたあとも、やはり動揺してたのか曲がる道を間違えて、再び悪路に悩まされながら気づいたら滋賀県栗東。
ひたすら脱力。
その日はもうあきらめて別の風呂に行きました。
再チャレンジしたのがその1週間後ぐらいだったのですが、今度は25号線側から行ったにもかかわらず、どこで曲がったらいいのか標識が発見できず、49号線を通り過ぎてしまいタイムアウト。
軽く挫けかけた。
ちょっと気持ち的に嫌になってその後1月ほど間が空き、やっと入浴できたのが昨日という訳です。
長い道のりであった。
422号線を直進、674号線を49号線で左折し、道の駅を目印に右折が正解。
なぜこんなにも手間取ったのか自分でもさっぱりわかりません。
なにか私をもくもくへ行かせまいとする力でも働いていたとしか思えぬ。
それがなんなのか知りませんが。
ていうか、ナビ買えよ、お前。(当時、スマホ普及前)
さて肝心の浴場ですが、なかなか立派です。
温泉旅館風の外観、入り口横には足湯もあり。
店内も雰囲気作りに腐心していることが伺えます。
なぜかあちこちに「みつを」風の手書きの注意書きが貼ってあり、どこかユーモラスな印象を受けます。
内湯はドーム状に円形。
木桶に木の風呂椅子と秘湯風の演出。
なかなかインパクトがあったのが露天風呂で、なにか意図があったのか、単にスペースの問題か、斜面に湯船を三つ分散して配置してあり、予想外に長い石段が上へと続いており、これはフルチンでうろうろしていい場所なのか、と少し不安になります。
森の中に点在する天然温泉状態。
浴槽もなかなか凝っていて巨大な岩石をくりぬいたかのような形状。
ざぶりと湯に漬かりふと空を見上げると木々の間からぽっかりと半月が。
これはなかなか都会では味わえない風情であることは確か。
泉質はナトリウム塩化物泉とのことですが、赤茶けた色をしているのは源泉風呂だけで他は無色透明。
なにかろ過処理をしているのかもしれません。
残念だったのはこれだけの規模でサウナがなかったこと。
温泉だけで勝負、と言うことなのでしょうが、立地の不便さから考えるとサウナ、水風呂なしはなかなか強気だと思う。
決して悪くはありませんが、塩化物泉自体がさほど珍しいものではないだけになかなか遠方からリピーターが、というのは難しいように思いました。
もくもくファームこみで楽しむのが正解かもしれません。
清潔感もあり、質の高い浴場であることは確か。

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